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「片手調理~白和え作り編~」

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今回は前回に引き続き、片手調理の「白和え作り編」です。

方法は前回同様、片麻痺の方になりきり、利き手を紐で固定して白和えを調理しました。

まずは、ほうれん草を切ることから始めました。ほうれん草はボール等を使用して、押さえて固定しながら包丁で切っていき、まな板は下に濡れた付近を敷き、ずれない様に固定したりしながら行いました。しかし、なかなかうまく切る事ができず…。

そこで取り出したのが、「調理用ハサミ」でした。これを使用すれば上手く切れるはず!と意気込み、一生懸命カット。順調に切っていく事ができ、包丁よりも幾分か安全で、使用しやすさを感じました。

 

ですが、またここで問題点が出できました…。

それは、

①ほうれん草を切っていくごとに量がかさばっていき、徐々に時間がかかる事。

②①の事より、手に痛みや疲労感が出てきてしまう事。

以上のことから、ほうれん草を茹でる前に切るよりも、茹でた後に切った方がほうれん草にもまとまりがあり、かさばることもなく、切りやすかったのではないかということに気づく事ができました。また、ハサミでも包丁でも食材や物を「切る」という行為は、片手では両手で行う以上に危険で恐ろしいという事に気づきました。その上で、「調理の行い易さ」だけでなく、「安全に行うための工夫」も必要なのだと感じました。

切ったほうれん草はボールへ移し、お湯を沸かした鍋へゆっくり少しづつ入れていきます。少しづつ入れていく事で、お湯が飛び跳ねることもなく安全に行う事ができました。

ほうれん草が茹で上がったら、予め流しに網のボールを置いて水道水を流しておき、注意しながらほうれん草の入った鍋を片手で移していきます。予め水道水を流しておくことにより、熱気や熱湯で火傷をしてしまう危険性を防ぐ事ができます。

最後に、ボールに茹で上がったほうれん草、醤油等の調味料、豆腐を加えてかき混ぜます。ボールの下には、濡れた布巾を敷き、ずれないように固定します。混ぜる際に多少力が必要ですが、なんとかあえる事ができました。盛り付けも残さずに盛り付けできました。

さあ、実食です。

利き手ではない方の手でお箸を握り、口へ運びます。やはり使い慣れていないため、口に運ぶまでもなかなかの一苦労…。

作るだけでなく、食事をする時のこと、一番最後の後片付けも考えた工夫や方法を見出していく必要がある事を感じました。

前回から今回の2回に渡り「片手調理」の体験についてお伝えして参りました。

私達が普段何気なく行っていながらも、日常生活に欠かせない動作の一つの「調理」。片麻痺の方の立場になってアプローチ方法を考えたとしても、私達はつい、調理という動作に大きな視点を置きがちになってしまい、その前後の作業についてのアプローチ方法について見落としてしまうことも多いのではないのでしょうか。今回、実際の体験を通して見えてくることがあり、調理を行う前後作業を含めた「片手調理」について考える事ができる、実体験ならではの学びの機会となりました。

Writer
リハケアガーデン国分RehacareGARDEN KOKUBU